先週から、つけペンの魅力にハマっています。ペン先はタチカワ製のT-44日本字、ペン軸は東京スライダ製のSL2001を愛用しています。
つけペンのペン先というと、カブラペン(さじペンやスプーンペンとも呼ばれる)が有名ですが、カブラペンは私には非常に書きにくいです。T-44日本字は、日本語を書くために開発された日本字ペンで、とても書きやすいです。今まで使ったことがあるどの万年筆よりも書きやすいし、描画される線がキレイです。
次はインクに何を使うかという話になるのですが、つけペン用のインクの有名どころは以下の二つです。
- ペン習字用開明墨汁
- パイロットの製図用インク
ペン習字用開明墨汁 VS パイロット製図用インク
両者とも定評がある製品で、価格もほぼ同じです。
耐水性を試してみたところ、「製図用>開明墨汁」でした。製図用はほとんどインクが流れず、開明墨汁は少しインクが流れました。でも、耐水性は開明墨汁のレベルで十分です。
色味は、開明墨汁には若干テカリがあります。マンガのベタのように広範囲にインクを塗るような場合は、製図用は色ムラが出やすいようですが、極細線を書くペン習字では気になりません。あと、開明墨汁はノートに罫線があるとインクがはじかれます。
次にインク壜の使いやすさについて。開明墨汁は壜の口が小さいので、ペン先をインク壜に入れる時にインク壜の縁にペン軸が触れてしまいそうになり、気を遣います。でも、これは他のインク壜に入れ替えれば、解決できる問題ですね。
開明墨汁の魅力は、なんといっても、墨の香りです。耐水性が若干低いことやインク壜の使い勝手が悪くても、それを覆してしまう魅力を感じます。
というわけで、開明墨汁に決めかけていたのですが、私が万年筆のインクとして愛用しているインク「極黒」も候補として加えました。
極黒 VS ペン習字用開明墨汁
価格は、極黒が圧倒的に高価です。極黒は50mlで定価2100円、実売1500円ぐらい。開明墨汁は30mlで500円ぐらいで買えます。
極黒の耐水性は、開明墨汁と同等です。極黒の色味は、開明墨汁よりも若干薄いかもしれませんが、私としては十分に黒く許容範囲です。若干テカリがあるのも開明墨汁と同じです。罫線でインクがはじかれるのも同じ。
実際にペン先にインクをつけて書いてみると、大きな違いがありました。製図用や開明墨汁は、ペン先にインクをつけた直後はインクが出過ぎるんです。そのため、別の紙で試し書きして、インクの出がちょうどいい状態になるようにしてから、書くことになります。極黒では、インクをつけた直後でも、インクの出がちょうどよく、出過ぎるといったことがありません。何故なのかよくわかりませんが、もしかしたら、インクの表面張力の違いで、製図用や開明墨汁はインクがペン先にのりすぎるのではないかと思っています。この違いは、使い勝手にだいぶ差があります。
結論
というわけで、つけペン用のインクも「極黒」を使っていくことに決めました。つけペンの場合、インク壜の蓋を開け放しで使うので、水分が蒸発してインクの濃度がだんだん濃くなってきてしまいます。つけペン用に使う極黒は万年筆用とは別に用意しようと思います。
ペン習字用の最高の筆記具に出会えて感動してるんですが、ただ一つ大きな問題があります。パイロットのペン習字通信講座は、万年筆で書かなくちゃいけないんだよな~。(^_^;)
追記(2014/08/17)
極黒をしばらく使っていたのですが、極黒だとペン先にインクがのらない時がありますね。ペン先に皮脂や汗がついてしまったのかと思って、ティッシュでぬぐったり、水で洗ったりしてもなかなかインクがのるようにならない。開明墨汁や製図用インクならば、どんな時でも、大抵、たっぷりとインクがのる。というわけで、現在、開明墨汁を使うようになりました。