ペン習字ペン

今回はペン習字ペンについての紹介記事です。

ペン習字ペンはパイロット製の万年筆です。その名の通り、ペン習字に使われることを考えて設計された万年筆のようです。一度廃番になった商品ですが、現在、カラーバリエーションと価格を変更し販売を再開しています。定価は600円+消費税。万年筆としてはとても安価です。

現在、このペン習字ペンを愛用しており、このペンの良さを共有したくて、今回の記事を書きました。

1. ペン習字ペンの好きなところ

ペン習字ペンの好きなところは以下の6点です。

(1) 持ちやすい

グリップ部分が三角の形状をしており、いわゆる正しいペンの持ち方を強制されることになります。正しいペンの持ち方をしている人にとっては、親指、人差し指、中指によって形成される三角形にスッポリと収まり、とても手に馴染みます。カクノも同じ特徴を持っていますが、私にはペン習字ペンのグリップの方がしっくりきます。

(2) 指が滑りにくい

グリップがペン先側に向かうにつれて太くなっているので、グリップを握った指がペン先方向に滑りにくくなっています。カクノよりもグリップがしっくりくる原因はここにあるのかもしれません。

(3) 軽い

とても軽く、ペンの重さがまったく気になりません。どんなに重量バランスがよくても、運筆という重力に逆らった動きをさせるためには、どうしても重さに応じた力が必要になります。重量が軽いに越したことはありません。

(4) グリップがインクで汚れない

キャップレスを除く大抵の万年筆はキャップが首軸(グリップ)を覆う構造になっています。キャップの開閉時などに、インクがキャップの内壁に付着し、そのインクが首軸に移ってしまうことがあります。これが原因で指をインクで汚してしまったという経験がある方は少なくないと思います。ペン習字ペンのキャップはペン先だけを覆い、首軸を覆いません。そのため、インクで指を汚すようなことがありません。このような構造を採用した万年筆を私は他に知りません。設計者の常識にとらわれない設計センスに感服します。

(5) インクの残量が常時見える

透明軸なため、カートリッジやコンバーターの中にあるインクの残量が常時確認できます。インクの残量を確認するために胴軸を取り外すのは意外と面倒です。確認するのを忘れていて、カートリッジやコンバーターがいつの間にか空になっていたという経験はどなたでもお有りでしょう。

(6) キャップがネジ式である

安価な万年筆にはキャップが嵌合式(いわゆる、パッチン式)のものが多いですが、ペン習字ペンはネジ式です。嵌合式のキャップは、キャップを開ける時にキャップ内が負圧になり、インクをペン先から吸い出してしまうことがあります。これを回避するため、気密性を高めることができず、キャップを閉めていたとしてもペン先が乾いてしまうという欠点があります。ペン習字ペンのキャップはネジ式であるため、この欠点がありません。

上記の6点により、使っていてストレスがなく、これほど、ペン先を思い通りにコントロールできる万年筆は他にありません。

2. ペン習字ペンの使用上の注意

とても使いやすいペン習字ペンですが、使用上の注意が1点あります。

(1) コンバーターを使わない

コンバーターを使ってペン先からインクを吸入する際、ペン先をインクに浸けますが、ペン習字ペンのペン芯は二重ペン芯構造ではないため、ペン先全体をインクに浸ける必要があります。その際にキャップを装着するためのネジがインクで汚れてしまいます。ネジの溝に入り込んだインクをキレイに拭き取るのは容易ではないため、コンバーターを使ってペン先からインクを吸入するのはやめておいた方がよいです。ボトルインクを使いたい場合は、空のカートリッジに注射器でインクを注入しましょう。

3. ペン習字ペンのカスタマイズ

私はペン習字ペンを以下のようにカスタマイズして使っています。

(1) つけペン化

現在、万年筆用の黒インクには、真っ黒かつ滲みにくいものが存在しません。特にパイロット製の黒インクは滲みやすいです。パイロットが運営するペン習字通信講座の清書用紙でも滲むので多くの受講生が困っています。パイロットには高性能な万年筆用黒インクを早く開発してもらいたいものです。

万年筆用の黒インクがこのような状況なので、つけペン用の黒インクや墨汁を使いたいと思いました。そこで、ペン芯をノコギリでカットし、ペン先の裏側を剥き出しにしました。ペン先をインクに浸してみると、表面張力により、ペン先の裏側にインクがくっつきます。つけペン同様、ペン先にくっついたインクから切り割りにインクが供給され、書くことができます。

(2) 金ペン化

ペン習字ペンのペン先は、パイロット製の万年筆「カスタム」(廃番品)のペン先と互換性があります。カスタムの14金のペン先をペン習字ペンに装着しました。このペン先はよくしなります。私は万年筆で何かを書く時、毛筆用のフェルトの下敷きを使うのですが、筆圧をかなりかけてもペン先がしなって筆圧を受け止めてくれるので紙に穴があきません。

今後やってみたいカスタマイズは漆塗りですね。プロの職人さんに依頼するのでもいいと思いますが、自分で塗ってみたいという気持ちもあります。(´ω`)

以上、ペン習字ペンの紹介でした。昨年はパイロットの創業百周年ということで百周年記念の万年筆やインクが発売されましたが、それよりもペン習字ペンの販売再開がうれしかったです。(´ω`)

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