モンブランのミッドナイトブルーが、いわゆる古典ブルーブラックではなくなり、染料系インクになってしまいました。ラミーのブルーブラックはすでに染料系に切り替わっています。残る古典ブルーブラックは、ペリカンのブルーブラック(米国では販売終了)、プラチナのブルーブラック、ローラー&クライナーのサリックスやスカビオサなどですね。古典ブルーブラックは、かつては危険なインクとして扱われていました。しかし、固着してしまってもアスコルビン酸溶液に溶けるということが数年前に判明したため、ある程度の耐水性がありながら、安全に利用できるインクとして重宝されてきました。染料系に切り替わっていってしまうのは残念ですね。
古典ブルーブラックがなくなった代わりに、モンブランからは顔料系インクのパーマネントブルーとパーマネントブラックが発売されました。早速、銀座の伊東屋で購入してきました。ペン習字を始める前はブルーブラックを愛用していたのですが、ペン習字をやるようになってから黒インクが一番好きになったので、パーマネントブラックにはちょっと期待しています。
顔料系インクを愛用の万年筆にいきなり吸入するのは怖いので、試しに他の万年筆に入れてみました。吸入してみたのは、カスタム823Fの透明軸です。カスタム823は、愛用しているカスタム743とペン先やペン芯が同じだし、透明軸なのでインクの状態を常時確認できるし、実験には持ってこいです。分解するのも簡単で洗浄しやすいですしね。
色味
使用した紙は、トモエリバー(カキモリで作ったノートに入れたもの)です。比較のために極黒も並べてみました。極黒には少しテカりがあります。私はこのテカりがあまり好きではないのですが、パーマネントブラックにはテカりがありません。濃淡がでないのは極黒と同じでベッタリした黒です。濃淡が出るとステキなのですが、顔料インクで濃淡は無理なのかもしれませんね。罫線によってインクがはじかれてしまうのは、極黒と同じです。色味は極黒よりも気に入りました。
耐水性
耐水性は実験するまでもないかもしれませんが、やってみました。トモエリバーに書いた後、30分程度乾かして水道水で流してみました。
以下、流水前です。
以下、流水後です。
パーマネントブルーは完璧です。ほとんどインクは流れませんでした。パーマネントブラックは、インクが流れまくり、こんなに薄くなっちゃいました…。Σ(゚д゚lll)ガーン 「パーマネント」を名乗るならば、もうちょっと頑張って欲しいですね。極黒は、インクが多少流れましたが、まだ黒々とインクが定着しています。たしか、極黒は安全性を考えて耐水性を意図的に少し落としているんですよね。
滲みと裏抜け
使用した紙は、モレスキンと書写検定の答案用紙です。モレスキンは、裏抜けさせたら右に出るものがないと言われる最高級ノートブックですね。書写検定の答案用紙に書いた場合の滲み具合が一番肝心です。これに書いて滲んでしまうような黒インクは使えません。染料系の黒インクは大抵滲みますから、使えません。
まず、モレスキンです。
パーマネントブラックが滲みまくってます。(^_^; パーマネントブルーと極黒は優秀です。滲みません。
以下、モレスキンの裏面です。
パーマネントブラックが裏抜けしまくってます。(^_^;
次は、書写検定答案用紙です。
どれも滲みません。大丈夫です。
パーマネントブラックは極黒のいいライバルになってくれるのではと期待していたのですが、期待はずれでした。でも、モレスキンを使わない人、耐水性はあの程度で十分、極黒のテカりは絶対イヤという人にはいいかもしれませんね。