長い間、最高の黒インクを探してきましたが、ついに見つけました!これです。(´ω`)ジャーン
呉竹の「磨りおろし生墨 古墨 濃墨」です。読み方は、たぶん、「すりおろしなまずみ こぼく のうぼく」だと思います。その名の通り、固形墨を磨りおろして作られた墨液です。
墨液の欠点
墨液は膠系と樹脂系に分類されます。膠系は固形墨と同様に膠を原材料に使ったもの。樹脂系は膠の代わりに合成樹脂を原材料に使ったもの。膠系墨液をつけペンで使うとペン先が錆びやすくなります。これは膠が固まらないように添加される塩化カルシウムの影響です。また、添加物の影響なのか、固形墨を磨ったものに比べると伸びがないようです。樹脂系墨液はさらに伸びがありません。これらを嫌って墨液を使わず、パイロットの製図用インキや証券用インキをつけペンで使う人も多いと思います。
墨液の魅力
墨液には欠点がありますが、製図用インキや証券用インキに比べて、黒さと滲みにくさがとても魅力的に思えて、私は墨液を使っていました。使っていたのは、開明の「皇壽」。皇壽は膠系の墨液で、とても伸びがよく、真っ黒です。墨液には書いたものがテカテカ光るものがありますが、皇壽もそのタイプです。私はテカテカ光るのがあまり好きではありません。テカテカ光ると字が読みにくいと思うのですが…。(´ー`) このような不満もありながら、皇壽を使っていました。
呉竹の「磨りおろし生墨 古墨 濃墨」
「磨りおろし生墨 古墨 濃墨」は、固形墨を磨ったものなので、膠は含まれていますが、塩化カルシウムが添加されていないので、ペン先が錆びません。添加物は最低限のものしか含まれていないそうで、サラサラで伸びがあります。墨液の欠点が解消されています。ただし、弱点があります。低温下でゲル化してしまうことです(普通の墨液はゲル化させないために塩化カルシウムを添加しているわけですが…)。ゲル化したら、湯煎すれば元に戻るようです。書いたものはテカテカ光らず、つや消しの黒です。これはうれしい!
やっと、私好みの黒インクを見つけました。つけペンとつけ筆ペンの両方でこの墨液を使うことにしました!(´ω`)
でも、最低限の添加物しか含まれていないので、品質の劣化がどれくらいの速度で進むのかが気になりますが…。