つけペンのペン先がインクを弾いてしまい、インクがペン先に乗ってくれないときがあります。パイロットの製図用インキや証券用インキではあまり発生しませんが、墨汁の場合によく発生するように思います。この問題の原因と対処方法について書きます。
ペン先がインクを弾く原因
ペン先のインクを拭き取ったり、洗浄したペン先の水分を拭き取ったりする時にティッシュペーパーを使うと、この問題が発生するようです。これは仮説なのですが、ティッシュペーパーに含まれるなんらかの成分(保湿成分など?)がペン先に付着し、それがインクを弾いてしまうのではないかと考えられます。
インクを弾いてしまう時の対処方法
ペン先のインクや水分を拭き取るのにティッシュペーパーを使わなければ、そもそも、この問題は発生しません。和紙などを使えば、インクを弾いたりしないようです。インクを弾く成分が含まれていないティッシュペーパーもあるかもしれません。
ティッシュペーパーを使う場合は、ペン先に付着したインクを弾く成分を除去してあげれば、インクがペン先に乗るようになります。除去する方法は、ウェットティッシュなどで拭けばよいだけです。ただし、ウェットティッシュには様々な製品があり、その中にはティッシュペーパーと同様にインクを弾いてしまう成分が含まれているものもあります。
利用できるウェットティッシュ
自宅に在庫があるウェットティシュをいくつか試してみました。ウェットティッシュだけでなく、ついでにキムワイプやキッチンタオルについても試してみました。
実験方法
以下の8製品を試しました。
使用したインクはペン習字用開明墨汁。使用したペン先は「日光 サジペン No.357 ニューム」と「日光 サジペン No.357 クローム」です。
実験手順は以下の通り。
- ペン先をティッシュペーパーでよく拭き、インクを弾く成分をペン先に付着させる。
- 実験対象製品でペン先を拭く。
- ペン先をインクに浸ける(ハート穴の所まで浸けることにしました)。
- ペン先へのインクの乗り具合を4段階で評価する。
実験結果
実験結果を下記の表にまとめました。☓は効果なし。△は効果はあるが、使えるレベルのインクが乗らない。○は使えるレベルのインクが乗る。◎はインクがたっぷり乗る。
日光 サジペン No.357 ニューム | 日光 サジペン No.357 クローム | |
キムワイプ | ○ | ☓ |
エリエール 超吸収キッチンタオル | △ | ☓ |
除菌の【激落ちくん】ウエットシート | ◎ | ◎ |
エリエール やわらか仕上げのウェットティシュー | ◎ | ◎ |
エリエール 除菌できるアルコールタオル ウイルス除去用 | ○ | △ |
エリエール ピュアナ ウエットティシュー | ◎ | ◎ |
シルコット ピュアウォーター ウェットティッシュ | ◎ | ◎ |
シルコット ノンアルコール除菌 ウェットティッシュ | ○ | △ |
ウェットティッシュを選ぶ際の参考にしてみてください。(´ω`)
追記
インクがペン先の背中側(筆記時に上になる側)にも乗ってしまうと、ペン先の腹と背中の両側からインクが切割に供給されるので、インクが出過ぎる状態になりやすいようです。そこで、ウェットティッシュでペン先を拭く際には、ペン先の腹側だけを拭くようにしましょう。そうすれば、インクが腹側だけに乗り、ティッシュペーパーで拭いた状態にある背中側はインクを弾くのでインクが乗りません。(´ω`)